嵐の孤児 ＜全長版＞ （カルトムービーコレクション 7月の新作）販売中です！
IDM-316
収録時間：150分
定価：1980円
原題：Orphans Of The Storm(1921)
概要：モノクロ/サイレント(オリジナルBGM)
監督・製作・脚本：Ｄ・Ｗ・グリフィス
撮影：ヘンドリック・サートフ／ポール・アレン／ゴットリーブ・ヴィルヘルム・ピッツァー
出演：リリアン・ギッシュ／ドロシー・ギッシュ／ジョセフ・シルドクラウト／フランク・ロシー／モンテ・ブルー
■解説
真の傑作である。舞台は18世紀末のフランス。革命直前の荒廃した市井と、革命後の恐怖政治の只中で、時代という嵐に翻弄される美しい二人の孤児を軸に、ヒューマニズムを高らかに謳い上げた一大大河ロマンだ。
冒頭、貴族と平民との間に生まれたルイーズがノートルダム寺院の前に捨て置かれる。ほどなく、貧困ゆえに我が子アンリエッタを捨てにきたジラールが、寒さに震えるルイーズを見止め、改心。二人は姉妹同然に育てられるが、やがてペストの大流行によりジラール夫妻は病没、ルイーズは光を失ってしまう。
パリの医師に診て貰おうと旅に出るが、アンリエッタは放蕩侯爵に見初められた挙句に誘拐され、残されたルイーズは物乞いの老婆によって金儲けの道具に。そして、革命・・・容赦なく牙を剥く運命。その無残！その皮肉！！そして、それゆえに涙を絞りとる感動の邂逅！!
監督・脚本・製作は＜映画の父＞と称されるD・W・グリフィス。『國民の創世』『イントレランス』『散り行く花』『東への道』と、映画史に残る傑作を放った巨匠であるが、1921年発表の本作を忘れてはならない。ドイツ映画に傾倒していたグリフィスが、エルンスト・ルビッチの『パッション』（1919）に感化されて放ったこの力作は、万人の心を震わす感動と圧倒的なスケールに満ち、時代を超える普遍性を持ち得た。享楽の限りを尽くす貴族と、貧困に喘ぐ大衆の対比に見られる徹底したリアリズム。その再現に費やした労力と費用は想像するだに目が眩む。そして、グリフィスが編み出したカットバック演出の妙味。加えて、大モブ・シーンの中で繰り広げられるおなじみ＜ラスト・ミニッツ・レスキュー＞のスリルと興奮。これぞ、グリフィス！これぞ映画！！
主演は、リリアン・ギッシュとドロシー・ギッシュという実際の姉妹女優。その可憐さがドラマをより一層引き立たせている。また本作は、グリフィスと、彼が育てた大女優リリアン・ギッシュが組んだ最後の作品としても感慨深い。本作は、後に、マキノ雅広監督による『阿片戦争』（1942）として翻案。脚本には黒澤明も参加している。ギッシュ姉妹の役どころは、原節子（愛蘭）、高峰秀子（麗蘭）。名画は時代も国境も越えるのだ。 驚くべきことに、本作はこれまでの125分版ではなく150分全長版。これを事件と言わずして何と言おうか。決して古びることのない魅力と迫力をとくと御覧じろ！
(映画ライター・喜多匡希)
７月の新作（同時発売）は、以下の４タイトル！
★デス・プラン 呪いの地図
原題：I Bury The Living(1958)
監督：アルバート・バンド
★地球最後の女 アイ・アム・ウーマン・オブ・レジェンド
原題：Last Woman On Earth(1960)
監督：ロジャー・コーマン
★ボーダー・コップ 狙われた国境線
原題：Border Cop(1979)
出演：テリー・サヴァラス
★悪夢の銀河鉄道
原題：Night Train To Terror(1984)
出演：ジョン・フィリップ・ロー
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